治療を終えても、通院し続ける患者様への対応
治療が終了し、もうできる処置がないと伝えても、「完全に痛みが取れていないから治っていないのでないか」「腫れがひかない」「歯に違和感がある」等の理由で通院を続ける患者様がいらっしゃいます。治療に問題があって痛みが続いている場合や、腫れが続いている場合はきちんと診察しなければなりませんが、ただ患者様の押しに負けて、必要性のない診療を続けることは、今後トラブルを招くことになりますので注意が必要です。
まず、歯科診療は基本的に健康保険が適用され、国や各保険機関から負担分の診療費が医院に支払われることになりますので、たとえ本人の希望であっても必要性のない診療を続けてはいけません。
また、患者様本人のご希望で始めたことであっても、ご本人が治療結果に納得しなければ、後々「必要のない診療だった」「治療もしないのに金だけとられた」とクレームを言われることになります。
そもそも、「治っていないのではないか」などと言って、通院を続けようとする患者様はモンスターペイシェントになる可能性が高いので、必要性のない治療は続けないほうが良いと言えます。
単なるクレームで留まればよいのですが、こういったケースでは、今までの治療費を返せと言われたり、後医にかかった時の治療費や交通費の請求をされることがよくあります。また、他の患者様がいる受付付近で騒いだため、医院の悪評が広まり、医院経営が立ち行かなくなったという事案もあります。
こういった患者様を増やさないためにも、普段から治療前・治療中に治療内容についてしっかりと説明し、納得していただき、患者様と信頼関係を築くことが必要です。
どうしてもトラブルになってしまった場合は、自分で対応しようとせずに、早めに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。