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患者様の希望を優先させるべきか

治療方針について

歯科医師としての専門的、適切な治療方針から逸脱しているにも拘らず、患者様が不合理な内容の方針に固執する場合には診療を拒否することができます。

患者様の中には、治療方針についても強い希望を持つ方がいます。
特に歯科の分野は審美の要素やライフスタイルに関わる要素も多いため、具体的な希望をもっている患者様も多いです。
患者様の希望が適切な治療方針の範囲の中にある場合はメリットデメリットの十分な説明の後に患者様の希望が変わらなければ患者様の希望に沿うべきです。
しかし、中には歯科医が勧める適切な治療方針とは別の、しかも適切でない治療方針に固執し、デメリットを説明しても自分の希望通りに治療することを求める患者様もいます。中には、治療方針が二転三転して決まらない患者様の方もいます。

そのような場合には、デメリットを考慮して到底採用できない治療方針であることを伝え、他院の診療を勧め、他院での診療にも応じない場合には、患者様の固執する治療方針により患者様の健康が害されることを理由に診療を拒否することが許されるでしょう。

ただし、診療を拒否するには応招義務との関係で正当な理由が必要で、それを歯科医師の方で立証しなければなりません。カルテに患者様に対して再三治療方針について説明し、他院での診療を勧めたことを出来るだけ詳細に記載しておきましょう。

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