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患者様の承諾なしに進めて良いか?

患者様から出るクレームには、無断で治療されたという内容が非常に多いです。
承諾なしに勝手に進められたというクレームだけを述べる場合もありますし、具体的な治療行為に対するクレームに付随し、承諾がなかったことについてクレームを述べることもありますので、トラブルになるケースは必ずといっていいほど承諾の有無が問題となっているといって過言ではありません。

では、患者様の承諾はどこまでとるべきでしょうか。
判例上、すべての治療行為について、逐一承諾をとるべきとは考えられていません。それでは、治療が進まなくなるからです。
判例は、場合によって承諾の程度を変えており、
① 重大な手術、その他相当の侵襲を与える診療行為の場合には個別的承諾を必要とする
② その他軽微な診療においては、診療の申し込みなど包括的承諾でよい
としております。
歯科医師の患者様に対する説明と承諾は表裏一体のものですが、いかに具体的・詳細な説明をしても、「理解していなかった」、「納得はしていなかった」とクレームになる場合もあります。
そこで、同意書の存在が必要となります。

①のような手術、麻酔などの侵襲を与える診療行為については、個別の承諾、もちろん後の立証を考えて口頭ではなく、しっかり同意書をとる必要があります。
また、②のような包括的承諾は、問診票の記載が有効となる場合があります。たとえば問診票に、義歯を作成して欲しいとあれば、それに必要な歯の一部エナメル質部分を削る行為は包括的同意に含まれていると考えられます。

 

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