解決事例集
事例1 - 患者様から、「患部の出血が止まらず腫れている」「入れ歯は嫌だと言っていたのに勝手に歯を抜かれた」「医療ミスである」とクレームがあった事例
患者様は、歯の管理状況が悪く、グラグラになっていたため、ブリッジにすることを説明し、3本抜歯。抜歯後、止血処理をして、帰宅させた。 帰宅後、患者様から、患部の出血が止まらず、腫れている、入れ歯が絶対嫌だと言っていたのに勝手に歯を抜かれた、ミスをされるなら抜歯はしなかったと電話があった。歯科医師は、弁護士依頼前に、患者様の自宅に出向き、治療費は返還すると記載をした謝罪文を渡していた。
患者様の主張するクレームの内容・請求内容 | クレーム内容 ①承諾なしに、勝手に3本歯を抜かれた。抜歯の説明は受けていない ②そもそも入れ歯は絶対嫌であると述べ、抜歯はしないで欲しいと明確に伝えている。 |
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請求内容 慰謝料として300万円+後医の治療費30万円 |
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解決内容 | 当院での治療費を返還して示談成立 |
理由 歯の状態から、3本の歯の抜歯行為自体には医学的に問題はなく、事前に口頭で3本抜くことも了承を得ており、無過失の事案である。しかし、歯科医師は承諾書・説明書を取っておらず、カルテにも説明をしたこと、同意を得たことについて記載がなかったため、承諾があることを証明出来ない可能性があった。また、謝罪文にて治療費の返還を約束してしまっていたため、上記内容で示談が成立。 |
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トラブルに至った原因 | 抜歯後、止血処理をしたが、それでも有る程度の期間出血と腫れが残ることを十分に説明していなかったため、患者様が歯科医師の治療内容を不安に思い、クレームに発展したと思われる。このような場合の患者様の心境は、最後の出血や腫れの説明がなく、ミスではないかと疑う→本当は抜歯も嫌だった→抜歯行為もミスではないか→ミスされるなら抜歯はしなかった→勝手に抜歯されて、腫れてしまったのだ、という経緯をたどる。 また、歯科医師が謝罪文を提出したため、ミスを認めたと誤解されたことが、トラブルを大きくした原因である。 |