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解決事例集

事例3 - 根管治療で出血があり、患者様に告げずに縫合した数ヶ月後、他院において、舌が縫合されていることを指摘され、患者様が弁護士に依頼し慰謝料請求をした事例

根管治療中、患者様が舌を動かし、タービンと接触し、接触部から出血。 歯科医師は、長年の付き合いから、その事実を告げると、パニックになると考え、事実を告げずに、縫合。その後も同院において、根管治療を継続し、治療終了。 患者様は数ヶ月後、他院において、舌が縫合されていることを指摘され、弁護士に依頼し慰謝料請求をしてきた。

患者様の主張するクレームの内容・請求内容 クレーム内容
①タービン接触による舌の損傷は手技のミスである、
②無断で縫合し、説明を受けていない。
③舌損傷後、舌に激痛があり、発熱、口が開かないという重篤な症状が残っている。
請求内容
慰謝料と事実説明を求める。
解決内容 お見舞金として50万円を支払い示談
理由
歯科医師は、治療中、器具で舌を固定するようにしていたが、反射で舌を動かしてしまっての事故であるため、無過失であると主張。また、患者様の主張する後遺症は、事故後通院中、舌の痛みを述べなかったこと、口を開けて治療行為をしていたことから、事実はないと主張。しかし、事故を隠蔽し、縫合の同意を事後的でも得なかったことは説明義務違反がある。
トラブルに至った原因 歯科医師は、患者様を不安にさせないために事故の事実を言わなかったが、それが故に、かえって甚大な問題に発展した。なお、判例上は過失があると判断される可能性がある事案。
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