歯科医師のための法律相談 デンタルローヤー

解決事例集

事例4 - 治療中、薬液が頬にかかり熱傷を負った患者様の母親から、「顔に傷を負ったためタレント生命が失われた」と賠償を求めるクレームがあった事例。暴力団の存在をほのめかすなど脅迫もあった

治療中、薬液が頬にかかり、熱傷を負った。歯科医師はとっさに、水洗をして、オキシドールを塗布。 後日、患者様の母親から、顔に傷を負ったため、タレント生命が失われた、着衣が濡れたのでその弁償を求める電話が来た。 歯科医師が、賠償額を聞いたところ、「誠意を見せて欲しい、所属するタレント事務所のバックには指定暴力団がいる」など脅迫されたため、当職に依頼。

患者様の主張するクレームの内容・請求内容 クレーム内容
①熱傷により頬に跡が残ったため、タレント生命が失われたことの慰謝料、
②着衣が高級なものであったためその弁償
請求内容
誠意を見せろと言うだけで具体的な賠償額は述べない。
解決内容 沈静化
理由
薬液をかけた点は、訴訟で手技ミスがあったと認定される可能性がある。熱傷を治療した皮膚科の歯科医師によると、跡は肉眼ではほとんどわからない状態まで改善したとのことであったので後遺症について慰謝料は発生しないとの見解。そこで、皮膚科の治療費とお見舞い金として10万円を提案。しかし、患者様の母親からそんな金額では応じられないと連絡がきたので、当職から、指定暴力団の存在を告げ金銭要求する行為は、恐喝に該当するため、警察に告訴する可能性があることを告げたところ、沈静化。
トラブルに至った原因 熱傷後の歯科医師の対応には問題はなかったが、患者様の特性(若い女性、外見に自信がある女性)から、特に慎重に対応する必要がある。 歯科医師は、暴力団の存在を告げられ恐喝を受けているが、その電話を録音していないため、訴訟となった場合には、恐喝の事実を立証出来ないというリスクがあった。 加えて、今回は、患者様はその場ではクレームを述べず帰って行ったが、母親が、熱傷跡を見て、興奮し請求をしたという経緯もある。
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